第7章 さよなら…?

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―… 屯所の局長室…。 いつもと変わらない落ち着いた表情の近藤さん。 少し困ったような顔の土方さん。 …冷静にあのときのことを説明する沖田。 あたしは沖田の説明を上の空で聞きながら 高杉さんのことを考えていた…。 …あの時 高杉さんがあたしにキスをした瞬間、ボンっという音とともに視界が真っ白になった。 …煙玉だった。 息が苦しくて、目に沁みて痛くて、沖田のあたしを呼ぶ声が遠くで聞こえた。 煙が風と共に視界から消えた時には…高杉さんの姿はなかった。 あたしに…意味深な言葉とキスを残して去っていった。 …あの言葉はつまり…一緒に幕府を討伐しようってことだよね…? 高杉さんはあたしが新撰組の者だって知っている風だった。 一体いつから? 最初に助けた時にはもう既に知っていたんだろうか…? それにどこまであたしのこと……。 考えれば考えるだけ謎は増えていく一方だ。
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