第7章 さよなら…?

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「…ふぅん……厄介なことになっちゃったね」 あたしが色々と考えているうちに沖田は事情を説明し終えたらしく、近藤さんがいつもの調子で言葉を発した。 「…で里紅…高杉晋作とはどこで出会ったの?」 「…初めて会ったのはあたしがここにきてまもない頃です。近藤さんにお金を貰って商店街に出掛けたとき…」 「あ…」 あたしが俯き気味で話を進めていると、何か思い出したように小さく土方さんが声をあげた。 「もしかして…」 土方さんはあたしを見つめる。 あたしはそれに答えるように頷いた。 すると土方さんが近藤さんと沖田にその日のことを話してくれた。 …あの日あたしは襲われて高杉さんに助けてもらった。 その後土方さんに会ってそのことを話したんだ。 「…つまり命の恩人ってわけか…」 「それより里紅」 一通り話を聞いた沖田はいつものように強く威厳を持った口調であたしに向き合う。 「お前…高杉に人質にとられたとき、アイツと何を話した?」 「…」 一度捕らえたら離さない鋭い眼差しであたしを見つめる沖田。 …ここで誤魔化しは効かない…。 そう思った。
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