第7章 さよなら…?

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「…っ…」 嘘はつけないと思いつつも、本当のことを話してもいいのか戸惑った。 正直…こわかった。 あたしは一呼吸置いてから重い口を開いた。 「…一緒にこの国を変えようって……」 「…!」 暫くの間、誰も言葉を発しなかった。 いや、発せられなかったのかもしれない。 「…新撰組の者をけしかけるとは…」 「…里紅、奴の言葉に耳を傾けちゃいけないよ。俺たちが今刀を腰に提げることができるのは、他でもない幕府のおかげなんだ」 「……」 土方さんと近藤さんの言葉を聞いても あたしにはどうしても腑に落ちなくて納得のいかないことがあった。 「…反幕府の人たちは…どうして悪いんですか?」 「え…?」 あたしの質問はきっと 幕府の人々を挑発するようなものだった。 決して…あたしにそのつもりがなくっても。 「…何言ってるの…里紅…?」 「だって…あたしにはどうして攘夷浪士を捕まえるのか分かりません」 「幕府に逆らうからだよ」 「どうして幕府に逆らったらいけないんですか!」 これは挑発でも幕府の批判でもない。 素朴なあたしの疑問。
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