第7章 さよなら…?

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そうじゃない…!! そういうつもりじゃ…!! 「何が違うんだよ…」 「あたしは…っ!」 「でも少なからずお前にその気があるのは確かだろ」 その時あたしは沖田と目が合った。 暗くて冷たくて…まるで人間じゃないものを見るような… そんな目…。 「その気なんてない! 高杉さんについていこうなんて全く思ってない!」 「…ならあの口付けはなんだよ…」 「…沖田…」 …分かった。 沖田はあたしを疑ってる。 再び…あたしを疑ってる。 「…所詮回し者か…お前」 「違うっ…!!」 信じて……。 沖田の冷めた視線に、あたしの気持ちは喉まできて全て砕かれてしまう。 「…高杉さんの味方をするつもりじゃ……もちろん近藤さんを狙ったこともわかってるけど…」 「けどなんだよ。結局そうやってかばってんだろ?」 「…」 あたしが答えられず言葉を詰まらせると それを見た沖田は静かに立ち上がり襖を開けた。 そして部屋を出る時…。 「…高杉のとこでもどこでも勝手に行けよ」 …そう言ってピシャリと沖田は襖を閉めて出ていった。 最後にあたしを見る沖田の目が脳裏に焼きついて 、闇を広げあたしを飲み込もうとしてくる。 あたしは歯を噛み締めることしかできなかった。
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