702人が本棚に入れています
本棚に追加
†沖田side†
「里紅がいない…!?」
朝急遽開かれた会議で集められた隊士たちはみんな驚きを隠せない。
…初めは浮いていたアイツの存在も 今は新撰組に欠かせない戦力となっていた。
アイツにかかれば攘夷浪士の次の行動はお見通しだった。
それにあの性格だ…。
性別が違うとはいえ馴染みやすい感じで 隊に溶け込むのに時間はかからなかった。
「…いないというより 出ていったというのが正しいかな」
局長は静かに呟いた。
「どうしてなんですか!?」
昨日の事を全く知らない山崎さんは珍しく声をあらげた。
「……」
しかし近藤さんも土方さんも山崎さんに答えようとはしなかった。
それはきっと…アイツを信じているから…。
出ていったのは 決して高杉の仲間になるためではない、と…。
それは俺も同じだ。
…本気で疑っていたわけじゃない。
ただ……ちゃんと否定すると思っていたんだ。
アイツの否定の言葉が聞きたかった。
…それで里紅は敵ではないと、安心したかった。
最初のコメントを投稿しよう!