第8章 Bitter kiss and a sweet hug...

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「昔は他人に関心もなければ、喜怒哀楽も表に出さなかったろ?」 「…土方さん俺のことそんな風に思ってたんですか」 「だってそうだろ~? お前何年笑ってないわけ?」 「…」 ……そうだっただろうか…? あんまり記憶にない…。 「でも里紅に出会って喜怒哀楽を表に出さずにはいられなくなったんじゃない?」 「まぁほぼ怒りですけど」 「俺から見ると 顔は怒ってても心は笑ってたよ」 土方さんは俺を見つめながらやんわりと笑った。 …。 「あ、ついでに今お前 かなり焦ってるだろ」 「…はい?」 焦ってる? 俺が? 「それ竹刀じゃなくて先が取れたただのホウキの棒だぞ」 「……」 俺は無言で自分の手に握られたものを見る。 ……取り間違えた。 「…山崎に調べさせるか?」 「だから必要ないですって!」 焦ってなんかねぇ…別に。 そのうちひょっこり帰ってくるのがオチだろ。
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