第8章 Bitter kiss and a sweet hug...

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―7日後… あれから一週間…。 里紅は未だに帰ってこなければ 姿を見せる様子もない。 アイツ…。 俺は心配を既に通り越してただ怒り狂っていた。 これだけみんなに心配かけやがって…一体いつ帰ってくる気だ…。 まさか…もう戻ってこないなんてことは…。 俺の中で今まで抑えていた不安がドッと溢れてきた。 俺の足は自然と里紅の部屋に向かう。 死んでしまったかのように冷たい部屋…。 机の上に置かれたままのアイツの木刀。 …やっぱり…高杉のほうがよかったのか…? 俺たちより……。 「っ…!」 俺は唇を噛みしめて局長室へ向かった。 軽く襖を叩き挨拶をして中に入る。 「…どうかした総司…そんな怖い顔して」 近藤さんは俺を見て少し驚いているようだった。 「近藤さん…俺に里紅を探させてください。今日1日で構いません」 「…」 「どうしても…アイツに言わなきゃいけねぇことがあって…。だから時間をください」 俺は頭を下げた。
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