第8章 Bitter kiss and a sweet hug...

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「あたし頑張ります!」 「うん。じゃあ今から接客任せてもいいかな?」 「はい!」 どーんとこい!! あたしは気合いをいれて今来たばかりらしいお客さんの出迎えに出ていく。 「ようこそいらっしゃいました! 今夜は楽しい一時を満喫してくださいね♪」 あたしは頑張ってニコニコして頑張ってお客の腕に自分の腕を絡め体を密着させた。 そう…! これぞ触られる前に触らせる作戦…だけど…っ。 うっ…冷や汗が…悪寒がっ…!! 耐えろあたし!! 営業スマイル! 社交辞令!! 「こっ…こちらへどうぞ…!?」 「……」 あたしは客の顔をみた瞬間に 冷や汗も悪寒も鳥肌も全て忘れた。 それはあたしが一番会いたくなかった人。 もう二度と会うことはないと思っていた人。 沖田は無言で自分の腕に掴まるあたしを見つめていた。
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