第8章 Bitter kiss and a sweet hug...

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「…何してんだよ」 久しぶりに耳に届いた沖田の低い声。 あたしの心臓はそれに反応してトクンと跳ねた。 でも…。 「っ!」 …あたしは新撰組とはもう関わらないって決めたんだ。 あたしは沖田から離れて店を飛びだし逃げた。 「おい!!」 すると沖田はあたしの跡を追ってくる。 やだ…!! あたしは狭い路地裏に入り込んでなんとか沖田を巻こうとする。 「待てよ!!」 「追いかけてくんなっ!!!」 今更何!? どれだけ曲がり角を曲がり走ったのか…。 でも沖田は諦めずについてくるし あたしの体力はもう限界だし…。 「おい待てって!! 逃げんな!!」 そしてとうとう腕を掴まれた。 「ヤダ!!」 「何が嫌なんだよ!?」 沖田のあたしを掴む力が強くなった。 何って…。 「全部!! アンタになんて会いたくない!! 話したくない見たくもない!!」 「…里紅…」 「!」 沖田の声が沈んだのが分かった。 …つい…言いすぎた…。 「…テメェこれだけ心配かけといて反省する気ゼロか。あ?」 「え…っ…」 次の瞬間見えた沖田の表情はまさに鬼だった。 うひゃー…怒っていらっしゃる…。 ってダメだ!! 沖田にペースに飲み込まれちゃ…。
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