第8章 Bitter kiss and a sweet hug...

11/16
前へ
/503ページ
次へ
それに何…心配かけてって…。 「…どこへでも行けって言ったのはアンタじゃん…! なんであたしが反省しなきゃいけないの…」 「いや…それは…」 「もうあたしに関わらないでよ!!」 あたしは思いっきり沖田の手を払った。 「放っておいてよ…どうせあたしはずっと余所者なんだから!!」 あたしはみんなの輪には入れない。 女だし、剣術だって全然だし、江戸時代の人間じゃないし…。 「ッ…!!」 「!?」 ―ドンッ!!💥 「痛っ…」 あたしは突然沖田に壁に押さえつけられた。 背中から冷たくて硬い木材の感触が伝わってくる…。 「…お前を信じて待ってる人もいるんだよ…。だからこうやってわざわざ…今更余所者なんて言葉で片付けてんじゃねぇ」 「………そんなの一部の人じゃん…」 沖田は信じなかったじゃん…。 どうせ今だって…。 局長やみんなに言われて仕方なく来たんでしょ…!? 「……あたしは…沖田に信じてほしかったのに…」 「! …里紅…?」 「…大っ嫌い!!!」 そう叫んだ瞬間喉に詰まっていた何かが外れたようにスッキリして 涙が奥から奥から込み上げてきた。
/503ページ

最初のコメントを投稿しよう!

702人が本棚に入れています
本棚に追加