第8章 Bitter kiss and a sweet hug...

13/16
前へ
/503ページ
次へ
…沖田……。 「お前はすげぇ努力してるよ…」 いつもより柔らかい口調であたしを落ち着かせるように話す沖田。 肌に伝わる沖田の熱であたしの体は温められていく…。 「………今更だけど…戻ってきてくれ」 「…」 「俺たちには…いや…俺は………お前が必要だ…」 その言葉があたしの耳に入った瞬間 プツッと何かが切れたように止まっていた涙が、再び溢れてきた。 「うっ……ひっく…ぐ…! ばか…沖田っ…!」 「…ごめん…」 あたしは沖田にしがみついて泣いた。 必要だと言ってくれたことが嬉しくて また新撰組の一員として働けることが嬉しくて みんなとの絆は幻じゃなかったことが嬉しくて…。 沖田はあたしが泣き止むまでずっと、抱きしめながら背中をさすってくれていた。
/503ページ

最初のコメントを投稿しよう!

702人が本棚に入れています
本棚に追加