第1章 …落ちた

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「…あたしホントに平成生まれの人間なんです…」 「へいせい…ねぇ」 チャラそうな副長が軽く首を傾げた。 絶対信じてない…。 「近藤さん、こいつは絶対嘘をついてます。未来から来たなんて狂言ですよ」 「嘘じゃない!」 「証拠はあるのか?」 「証拠……」 沖田さんが冷たくあたしを睨む。 あたしは辛くなった。 …どうして…こんな目に遭わなきゃいけないのかって。 「…証拠なんてないけど あたしはあなたたちをはめようとか、そんなこと思ってない」 「騙そうったってそうはいかねぇぞクソ女」 「総司。言い過ぎですよ」 今にもあたしを斬りかかりそうな沖田さんを近藤さんが止めてくれた。 沖田さんは局長に注意されておとなしく黙った。 …前にテレビで聞いたことある。 沖田総司は近藤勇に忠実でとても慕い尊敬していたと…。 ……死ぬ間際も…。 歴史に詳しくないあたしが知っているくらい有名な話だ。
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