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―…
あたしは沖田に連れられ商店街にやってきた。
沖田はあたしをみることなくスタスタと歩みを進める。
行き先も言わないで。
「沖田~…」
「……」
「沖田ってばー…」
「……」
「どすけべ変態沖田」
「テメェその口二度と開かねぇようにしてやろうか」
やっとこっち見た!
「どこ行くの?」
「……」
「なんで言わないの!? いかがわしい店だったら容赦なく背負い投げするよ?」
「頭かち割るぞ…!!」
キッとあたしを睨むと再び前を向いて歩き出す沖田。
…教えてくれたっていいのに。
渋々沖田の後ろをついて歩いていると、前から走ってきていた小さな女の子が突然あたしの目の前で転んだ。
「!」
うわ…痛そう…。
あたしは自然と立ち止まった。
―ムクッ!!
「お…?」
思いの外女の子はすぐに起き上がった。
さすが!
女は強いねぇ。
と思ったが…。
「ぅぁぁあああん!!!」
やはり泣き出した。
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