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「まぁなんであってもあたしは生き延びなきゃいけないし…。まだ未来に戻れないって決まったわけじゃないしね」
「……未来に帰りたいか?」
沖田はやけに真剣な表情で尋ねてくる。
…沖田がそんなことに興味を持つなんて変なの。
「帰りたい。だって…お母さんに会いたいもん」
「…戻れるといいな」
「うん…」
お母さん…元気でやってるかな?
お父さんは…まぁ放っといて大丈夫か。
ちなみに大学の教授だったりするんだけど…。
お父さんは日本史教えてるの。なのにあたし日本史苦手っていうね…。
「……文でも送れればいいがな」
「…そうだね…」
あっちであたしはどうなったことになってるんだろう。
行方不明? それとも…死んだことになってるの?
…なんかみんなに申し訳ないな…。
「…柄にもなくしんみりするな。似合わねぇ」
あたしの様子に気づいたのか沖田は慰めるような口調でそう言った。
最後に…。
「…好きなだけここにいればいい」
そう付け加えて。
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