第9章 恋の蕾は開花時期

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少しだけ微笑んだ沖田にあたしの視線は釘付けになる。 …最近沖田はよく笑う。 普通の人から見たら分からないくらい少ーしだけだけど…。 あたしには分かる。 沖田に優しくされると何だか胸がくすぐったくなって あたしは自然と沖田から視線をそらした。 あぁ…もう…あたしらしくない…。 「…里紅」 「な…何…?」 沖田に名前を呼ばれて、あたしは心を詠まれないように平然を装う。 何かまた真面目な…胸がくすぐったくなる事を言われると思って身構えたが…。 「茶いれてくれ」 「…ぁ…うん」 現れたのはいつもと変わらぬ沖田の無表情だった。 な、なんだよ…もう! てかつい返事しちゃったけど あたしお茶とか作るの小学校の家庭科以来なんですけど。 え、できるのあたし? いやいやできるだろ! だって茶葉入れてお湯入れて待つだけじゃん! うんきっと大丈夫さ!! あたしは慣れない手つきでお茶をつくり始めた。
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