第9章 恋の蕾は開花時期

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「かばってくれてありがとう」 土方さんはいつものように笑いながらあたしの隣に座る。 「今回だけですよ」 「えー」 土方さんの髪は紅い夕焼けの光を反射してキラキラしていた。 いつもとは雰囲気が違って見える…気がする。 「…今日さ 総司とどこ行ってたの?」 土方さんは珍しく控え目にあたしに尋ねる。 「鍛冶屋に行ってました! 見てくださいこれ! 真剣もらったんです!」 「……」 土方さんはすごく驚いたようでしばらく黙ってあたしを見つめていた。 「…土方さん?」 「あ…あぁごめん。結構驚いちゃって…」 「?」 「…そうか…総司がね…」 土方さんは苦笑いを浮かべ少し考えこむようにあたしから視線をはずした。 「はぁ…」 「…どうかしたんですか?」 「いや…妬けちゃうなって」 「やける…?」 焼ける? 妬ける? ……え?
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