第9章 恋の蕾は開花時期

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「俺ものんびりしてられないね」 「……からかわないでくださいよ!」 いつもと同じ! 土方さんは誰にだってこうゆう言葉を…。 でも土方さんは少しだけ微笑んだまま表情を変えずに あたしを見つめていた。 「…信じられない?」 「…」 「日々の行いが悪いせいかな」 …嘘じゃない…? 土方さんの表情からなんとなくあたしはそう感じ取った。 「…里紅が総司と一緒にいると…胸が苦しくなるんだ」 真っ直ぐあたしだけを見つめる土方さんの瞳。 いつもみたいな軽い雰囲気は全く感じられない。 「…この病はさ…」 「!」 あたしの頬にそっと触れた手。 ぐっと近づいたあたしたちの距離…。 「…里紅にしか治せないんだよ」 「…っ…!」 高鳴る鼓動…。 絡み合う視線と漂う甘い吐息。 みるみる上がっていく体温を止めることができない。 ど…どうしよう…!! あたしっ…どつ…どうしよう! 「……なーんてね♪」 「…ふぇ!?」 「あれ、里紅顔真っ赤! まさか本気にした?」 ケロッと笑って見せる土方さん。 回りにはチャラチャラとしたオーラが…。
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