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「俺ものんびりしてられないね」
「……からかわないでくださいよ!」
いつもと同じ!
土方さんは誰にだってこうゆう言葉を…。
でも土方さんは少しだけ微笑んだまま表情を変えずに あたしを見つめていた。
「…信じられない?」
「…」
「日々の行いが悪いせいかな」
…嘘じゃない…?
土方さんの表情からなんとなくあたしはそう感じ取った。
「…里紅が総司と一緒にいると…胸が苦しくなるんだ」
真っ直ぐあたしだけを見つめる土方さんの瞳。
いつもみたいな軽い雰囲気は全く感じられない。
「…この病はさ…」
「!」
あたしの頬にそっと触れた手。
ぐっと近づいたあたしたちの距離…。
「…里紅にしか治せないんだよ」
「…っ…!」
高鳴る鼓動…。
絡み合う視線と漂う甘い吐息。
みるみる上がっていく体温を止めることができない。
ど…どうしよう…!!
あたしっ…どつ…どうしよう!
「……なーんてね♪」
「…ふぇ!?」
「あれ、里紅顔真っ赤! まさか本気にした?」
ケロッと笑って見せる土方さん。
回りにはチャラチャラとしたオーラが…。
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