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†土方side†
気づいた時には好きになっていて 今更気持ちを変えることはできなかった。
でもまさか…あの総司がな…。
冷徹であった総司だから油断した。
アイツには…恋だの愛だの一生理解できねぇもんだと思ってた。
…里紅に出会って 凍りついていた何かが溶けたのかね…。
里紅に思いを伝えた時…
里紅の表情から可能性は感じられなかった。
顔こそ赤くなってはいたが、なんとなく心が見えた。
あ…だめだって…確信した。
俺もろくに遊んでないからね。
女の気持ちには敏感なの。
今回は総司の初恋ってのもあるし、潔く身を引きますよ。
「あぁあっ!! いたァァ!!」
「おぉ山崎か! 探したぞ~」
「探してたのは俺ですよ!! 今日という今日は絶対許しません! 仕事が終わるまで徹夜してもらいます!!」
「うげ…山崎の鬼!」
…失恋を癒すのも女…。
今夜こっそり抜け出して 街にくり出すかな。
「抜け出そうなんて思わないでください。妙な真似したら斬ります」
「え、嘘でしょ? 俺曲がりなりにも副長という立場だよ?」
「それは抜け出そうという気があるってことですか。…あなたって人は…」
沸々と怒りを露にさせる山崎。
ちょ、お前いつからそんな厳しくなったの?
土方さんお前は優しい子だと思ってたよ?
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