第10章 My answer

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―… …にしたってさ…。 「窮屈~っ!!!!」 出るなと言われると出たくなる…。 これぞ人間の不変の心理。 「むぐぅ…」 「なんだ今の奇声は…」 「あ、沖田…」 沖田は何やらお皿を持ってあたしの前に現れた。 ? 「…食うか?」 「せんべい!!」 皿から一つとって匂いをかぐ。 うん…醤油の香ばしい香り…! おにぎりせんべいを思い出すね! 「…外出禁止になったんだってな」 「うん…もしそれを破ったらどうなると思う?」 「切腹以外に何がある」 「……一週間掃除とか、朝ごはん抜きとか…」 「切腹しかねぇ」 厳しい世の中だぜ…。 なんでそんな人の腹斬りたいの? 「……行かねぇよな」 「だって切腹でしょー? おとなしく屯所にいるって」 「そうじゃねぇ」 「え?」 「…高杉のとこにだ…」 沖田はジッとあたしを見つめる。 行くわけないじゃん。 沖田があたしに言った言葉…今でもちゃんと覚えてる。 みんながあたしを必要としてくれてる限りは ここにいる。
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