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「行かないよ!」
あたしが笑顔でそう言うと沖田は安心したように少しだけ微笑んだ。
「沖田が悲しむからね!」
「はぁ!? 誰がテメェごときが居なくなって悲しむか!!」
「えーそれ本音?」
「…てめ、上司からかうのもいい加減にしろよ…!」
あたしずっと覚えてるんだから!
沖田が 好きなだけいればいいって言ったこと…。
「はぁ…じゃ俺仕事行ってくるけど、暴れたりすんじゃねーぞ」
「ちょっと あたしを猛獣扱いしないでよ」
沖田はそう言いながら立ち上がった。
…もしかして外出禁止であたしが落ち込んでるって思ったから…お菓子くれたの?
「さしずめお前は熊だな」
「熊ぁ!?」
「よく食べるしずる賢い」
「失礼な!!」
沖田はあたしを見てふっと笑うと部屋から出ていった。
ひ、人の顔見て笑いやがった…!!
むかつく~っ!!
「!」
あたしは不意に空を見上げた。
黒く重たい雲が気味悪く渦を巻いていた。
…雨降るなこれは…。
そう思った瞬間 あたしは顔をしかめた。
………火薬の匂い…。
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