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―…
それからそう時間が経ってないうちに…。
新撰組の屯所は襲撃にあった。
嫌な予感って当たっちゃうから怖いよね。
なんて運がいいんだろう…。
いや、悪いのか。
突然轟いた爆発音。
呆然としているうちにドッと攘夷浪士が攻めいってきた。
それに応戦を始めた新撰組。
あたしも加勢をしようと真剣に握った時だった。
「! 山崎さん!」
「静かに!」
山崎さんは焦った様子でそう言うとあたしを部屋に押し戻し、ピシャンと襖を閉めた。
「襲撃ですよね!? あたしも今から…!」
「ダメだ! …奴らの狙いは…里紅ちゃんなんだ」
「…え…?」
…それって…高杉さんの仕業…?
「ここは危険だ! 里紅ちゃんは裏から逃げるんだ!」
そう言って山崎さんはあたしの背中を押す。
おかしい…。
あたしを拐いに来たのなら…なんであの匂いが…?
爆弾を使えばあたしだってただじゃすまない。
でも新撰組の拠点に何の策もなしに突撃するなんて馬鹿はいないだろうし…。
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