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…酷いこと考えるよね。
「屯所に仕掛けた爆弾使って、あたしを脅すつもりだったんですか」
「……いや…」
高杉さんは言葉を濁らせ頭をかいた。
一瞬も気が抜けない冷たい空気が流れる。
「…こうゆうやり方 好きじゃないんだよね」
「あたしもそう思います。高杉さんが今まで起こした事件の資料を見ていたので、今回のは信じられませんでした」
この人は人質を取ったりする卑怯な真似は今まで一度だってしていない。
…高杉さんは高杉さんなりの 自分のルールがあるのだろう。
「俺はただ里紅と話ができればそれでよかった。…今回のことは本当に申し訳ない」
高杉さんは静かに頭を下げた。
「いえ! もういいんです! やっぱり高杉さんは優しい人だって分かりましたから」
決して悪い人じゃない。
悪いことなんてしていない。
ただ…幕府に不満があるだけ。
その民衆の不満を解決できない幕府にも非がある。
…今だけ…対等な立場に立たせてもらいます。
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