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ただあたしに聴こえたのは自分の心臓の鼓動だけ。
ずぶ濡れの沖田はいつもより大人っぽくて 滴る水が妙に似合ってて…。
あたしはしばらく見とれてしまった。
「なんでこんなとこで突っ立ってるの…?」
「…お前が絶対戻って来るって聞いたから待ってたんだよ…」
「かっ…傘くらいさして待ってればよかったじゃん!」
「う…うるせぇな…。別に決して雨に気がつかなかったわけじゃねぇ!」
「……気づかなかったんだぁ。もうそれ多分手遅れだよ。……頭が」
「あ"!?」
そんな他愛もない会話ができることが幸せだと不意に感じた。
幕府側だからとか…政府の犬だからあたしは新撰組にいるんじゃない。
…みんなとただ一緒に笑っていたいからだ。
少しでもみんなの力になれれば…あたしは嬉しいな!
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