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「ただの夏風邪かよ~。心配して損した!」
「お前が勝手に大袈裟なこと抜かしてただけだろーが…」
屯所に戻ってきたあたしたち。
沖田は布団を被り今すぐ眠れる体勢だ。
「いい沖田? 手洗い、うがい、アルコール消毒をすればどんな病気にだってかからないんだからね」
「…最後のはなんだ?」
「あ、手洗い、うがい、手ぴかジェルでもいいよ」
「だからなんだよ最後のやつは…」
えー知らないのこの言葉?
言っとくけど非核三原則と同じくらい大事だよ。
「はぁ…もういいからお前は仕事戻れ」
「いや沖田が眠ったら仕事しようかなって」
「お前がいると気が散って眠れねぇんだよ!」
もう…仕方ないなぁ。
一人で仕事したくないんだけど。
あたしは渋々沖田の部屋から出た。
そして廊下を歩いているときふと思った。
…沖田が風邪ひいたのって…この前雨の中傘もささずにあたしを待ってたから…?
あたしはふっと振り返り静かな沖田の部屋を見る。
……あたしのせいだ…。
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