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―…
「づぁ~…」
「どうしたの里紅ちゃん。そんな魔物みたいな声だして…」
机に突っ伏して項垂れるあたしに声をかけたのは山崎さん。
仕事の合間の休憩中です。
「…沖田が風邪引いたの…あたしのせいなの…」
「え…」
「…何かしてあげたいけど、あたし何やっても逆効果になっちゃうし…でもこのまま何もしないのも耐えられないっていうか…」
…もどかしいというか…。
あたしが近くにいると気が散って眠れないって言うし…。
でも何かしてあげたいの。
「山崎さんの彼女が自分のせいで風邪引いちゃったら、山崎さんは何をしてあげますか?」
「またその話引っ張るのね…」
山崎さんは苦笑いを浮かべたが話を続ける。
「俺だったら…良くなるまで側にいてあげるかな」
「でも近くにいると気が散るって…」
「……沖田組長に言われたの?」
「うん」
「…そりゃ魔物になって叫びたくもなるだろうね…」
そうなんすよー。
あたしはこれでも心配してるのに……。
「…じゃあ何かつくってあげたら? 栄養のあるものとか」
「あたし料理できないんですよね…きっと何を作っても豚のエサにしかなりません」
「なら俺も手伝ってあげるから。だから野菜たっぷりのお粥作ってみない?」
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