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<完成?>
「ふぅ…なんとかなりましたね!」
「うん…多分ね。ほら里紅ちゃん、味見してみて」
あたしはお玉でお粥をすくってパクッと口に入れた。
ん~……ん…?
「どう?」
「なんか…パッとしない味です」
「え!?」
続けて山崎さんも試食。
「……里紅ちゃんが調味料間違えたせいだね。少し塩を足してみようか」
「分かりました!」
「待ってそれ砂糖だよ!!」
「ぎょっ!?」
あまりの驚きにあたしは魚になりました。
―夜8時過ぎ…
あたしはようやく完成したお粥を手に沖田の部屋の前までやって来た。
……。
……入らないの?って?
…いや…ほら…
沖田寝てるかもしれないし、寝てたら悪いじゃん?
それに……食欲ないかもしれないし…。
あたしはクルッと踵を返して二三歩歩いて立ち止まる。
でもせっかく作ったしな…。
今すぐ食べなくてもいいから 枕元に置いておこうかな。
またあたしは回れ右をして襖に近づく。
いやでも!
置きっぱなしにしてたら冷めちゃう!!
あたしは一人その場でぐるぐるしながら葛藤を繰り返していた。
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