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――ミーンミンミンミー…
暑いなか精一杯泣きわめく蝉。
そして時折吹く生暖かい風に誘われて歌う風鈴。
あたしは制服姿で縁側に寝転がりアイスキャンディを食べていた。
あっつぃ…。
流れる汗が止まらない。
「里紅ー! おばあちゃんの遺品整理するから手伝って!」
「ふぁーぃ…」
お母さんにそう言われてあたしはゆっくり起き上がった。
あたしは高木 里紅(タカギ リク)。
ごく一般的な高校3年生。
夏休み真っ只中だったあたしに、先日大好きなおばあちゃんが亡くなったと連絡が入った。
今日はそのお葬式。
おばあちゃんちは田んぼと畑しかない田舎にある。
年期の入った木造の家だ。
この家で一人で暮らしていたおばあちゃん。
高校を卒業したら会いに行く約束をしていたのに…こんな再会になってしまうなんて…。
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