第2章 Real

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…タイムスリップ…。 あたしは真面目に考えた。 どうしたら元の時代へ戻れるのか? もう二度と…お母さんにもお父さんにも、友達にも会えないの? ……今この時代に “あたし”を知っている者は誰もいない。 それがこんなにも恐ろしいなんて思っていなかった。 これが…孤独…? 「……やだ…」 「!?」 柄にもなく…。 卒業式だって我慢できたあたしの瞳から 熱い涙が溢れ落ちた。 帰りたい…。 みんなに会いたい。 一人は嫌なの…。 「ちょ、ごめんごめん! 泣かせるつもりはなくて…ちょっと驚かそうとしただけで…!」 突然あたしが泣き出したことに土方さんはえらく動揺していた。 「わっ!? 副長…泣かせたんですか!?」 「山崎!」 その時ちょうど廊下を通りかかった山崎さんがあたしたちを発見。 「なんか俺もよく分からないんだけど…多分俺のせいなんだわ!! 山崎なんとかして!」 「えぇ!? 一体何したんですか!」
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