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†沖田side†
とても嬉しそうな里紅。
でも俺は対照的に少し沈む。
…いや、俺のためにお粥を作ってくれたのは嬉しい。
でも問題は…里紅が山崎さんと二人で作っていたということだ。
…………情けねぇけど かなり妬ける…。
「…お前山崎さんと仲いいよな」
…今思えば出会ったときから…だけど。
「うん! 山崎さんイイ人だもん! あたしが思うに新撰組の中で一番まともな人だよ」
俺の心中なんて全く知らない里紅は満面の笑みを浮かべながらそう言った。
つかこいつ…何気に酷いこと言ってねぇか?
俺はまともな人間じゃねぇっていってんのか?
…ムカついてきた。
「…ごちそうさま。俺寝るから…さっさと山崎さんとこ行って報告でもしてこいよ」
「…何を?」
「何をって…俺が美味しく食べたってことをだよ」
「? なんで?」
「な…なんで…って…」
里紅は全く訳が分からないというように首を傾げる。
…山崎さんに気があるんじゃねぇのかよ…。
あ…そういえば土方さんが、里紅は俺しか見てない…みたいなことを言っていたような…。
俺はもう一度里紅の目を見る。
クリッとした少し赤みがかった瞳はぶれることなく俺を見つめていた。
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