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†里紅side†
次の日…。
あたしは朝早くから稽古場で床を水ぶきしていた。
…いくら真剣持つのが許されても、雑用は変わらないんだよね…。
「もう慣れたけど…!」
虚しく響く一人言にもめげません!!
明日は明日の風が吹く!!
今日は今日の風が吹く!!
ちょっと元気が出そうな言葉を並べてみた!
一通り終えて立ち上がった時 稽古場に足を踏み入れた人がいた。
「あ…沖田!」
「おう。朝から雑用か…暇だな」
「好きでやってないし。もう風邪は大丈夫なの?」
「あぁ」
軽く返事をすると沖田は竹刀を片手にずんずんと稽古場に入ってきた。
顔色もいいし本当に大丈夫そうだ。
「…心配かけたな。昨日は…ありがとう」
「!?」
ちょ、皆さん今聞きました!?
沖田があたしに…ありがとうって言ったよ!?
あたしはあまりの衝撃に固まって一時停止状態に。
「…な、なんだよ…」
沖田は罰が悪そうに顔をしかめる。
それがあたしにはとても可愛らしくみえて つい吹き出してしまった。
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