第2章 Real

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あたしたちは土方さんを視界から排除する。 周りの隊士たちが動揺している様子なんてもちろん知らない。 「俺は事実を言ったまでだ。お前は俺に敵わない。違うか?」 「やってもないのに勝手に決めつけないでよ。自意識過剰も甚だしい」 あたしはキッと沖田を睨む。 大嫌い。 女だからとか…男より劣ってるっていう思考も決めつけも。 「じゃあ試してみるか? お前に俺が倒せるか」 「……ふっ…」 「何がおかしいんだよ」 沖田が怪訝そうな顔であたしを見据える。 「二度と同じ口が聞けないようにしてやる」 「ハッ…気の強ぇ女だな。その自信粉々に砕いてやるよ」 睨み合うあたしたち。 はりつめた空気が辺りを包む。 「先に床に膝をついたほうが負けだ。…手加減しようか?お嬢さん」 「そっちこそケガしたってあたし責任とらないから」 あたしはグッと竹刀を握った。 そして…。 「はぁぁあ!!!」 右も左も分からないけど ただがむしゃらに向かっていった。
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