第3章 ドキマギどっきゅん!

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「おとなしくしろ…それ以上、綺麗な体に傷を増やしたくないだろう?」 「…っ…」 どうしよう…もう…! …無理…っ!! あたしはギュッと目を瞑った。 「ぐぁア!!」 「!?」 目の前に広がったのは 花のように咲き誇る真っ赤な血。 それはもちろんあたしの血じゃなくて…。 ―バタバタッ…!! 3人の男は力なくあたしの前に倒れた。 「…大丈夫?」 そして目の前には若い男が…。 「…腕斬られたの? 見せて」 「ぇっ…」 長い切れ目にどこか紫がかった瞳。 …綺麗…。 男の手があたしの腕にそっと触れた。 「…浅いから大丈夫。縫合の必要もないよ」 「あの…あなたは…」 「俺? ん~名乗るほどの者じゃないし、あんまり名乗れないんだよね」 男はフッと優しく笑った。 …綺麗な笑顔…。 江戸時代の人ってみんなイケメンなのかな? 「腕、一応止血しておくね」 「あ…」 そう言うと男の人はあたしの腕に布を固く結んだ。
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