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「みゃー…」
「いた…!」
深い深い空洞の途中ぶら下がっている桶の中に 小さな黒猫がちょこんと座っている。
「みゃー!」
どうしてこんなところに?
落ちちゃったの?
そう思いながらあたしは桶にくくりつけてあるロープを引っ張った。
「あれっ…!?」
う、動かない…!!
なんで!? 壊れてんのこれ!?
いくらロープを引っ張っても桶を持ち上げることができない。
引っ掛かってるのかな…。
「…うーん」
あたしは少し考えて 頑張って手を伸ばしてみようと思った。
大きな井戸だから大人でも気をつけないと落ちてしまう。
水がないとはいえ、底が闇で見えないほど深いのだ。
あたしはゆっくり頭を井戸に入れて手を伸ばした。
あー…!
あと少しで桶に触れる…!!
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