第1章 …落ちた

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「みゃー…」 「いた…!」 深い深い空洞の途中ぶら下がっている桶の中に 小さな黒猫がちょこんと座っている。 「みゃー!」 どうしてこんなところに? 落ちちゃったの? そう思いながらあたしは桶にくくりつけてあるロープを引っ張った。 「あれっ…!?」 う、動かない…!! なんで!? 壊れてんのこれ!? いくらロープを引っ張っても桶を持ち上げることができない。 引っ掛かってるのかな…。 「…うーん」 あたしは少し考えて 頑張って手を伸ばしてみようと思った。 大きな井戸だから大人でも気をつけないと落ちてしまう。 水がないとはいえ、底が闇で見えないほど深いのだ。 あたしはゆっくり頭を井戸に入れて手を伸ばした。 あー…! あと少しで桶に触れる…!!
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