第19章 最後の思い出に

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「何の…って、風呂に決まってんだろ」 「ぉふっ…え!?」 あたしの体が一瞬にして熱くなった。 い、いきなり何!? お風呂…一緒に…!? 「む…無理っ!」 「は…?」 だって…だって!! 屯所にあるお風呂一人入るのでやっとだよ!? ふ…二人で入るとか…近すぎ…っ!! 想像しただけでのぼせてしまいそうだ…。 「なんだよ無理って…」 「いや…だって狭いし…は、恥ずかしいし…」 「はあ?」 おどおどするあたしに沖田は首を傾けた。 「何ぶつぶつ言ってんだよ。お前聞いてねぇの?」 「え…なにを…?」 「…知らないのかよ」 沖田は面倒臭そうに頭をかいてあたしを見る。 「今夜は息抜きにみんなで銭湯行くって 近藤さん言ってただろ?」 「……」 ………いつ!? 「初耳だけど!?」 「お前がぼんやりしてて聞いてなかっただけだろ。早く用意しろよ置いてくぞ」 「あ…待って待って!」 あたしはすぐに立ち上がって用意を始めた。 …なんか一人で勘違いして焦った自分が恥ずかしい…。
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