第5章 局長と愉快な仲間たち!?

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―… 「あっ! こんなところにお茶屋があるっ! ねぇねぇ沖田、ちょっと寄って行こーよ!」 「……斬るぞお前」 「けっちぃ~!」 あたしは地面に足をズリながら歩く。 つまんないなぁ全く。 「…のわっ!!」 ―ドタン!!! っつ…。 足をズリながら歩いていたせいで石につまづいた…。 痛い…。 そして恥ずかしくて顔上げられないぃぃ…。 「…はぁ…」 「っ!! ため息つくな!! そこはあたしの心を傷つけないように無視して歩き続けろよ!」 「…早く起き上がれよ。みっともねぇ…」 「!」 そう言って沖田はあたしの腕を引っ張って立たせた。 「止めろよ! あたしを惨めな気分にさせんなよ! 沖田のバカぁ!」 「礼くらい言えんのか!?」 いつものように沖田と口喧嘩をしている時だった。 「そ、総司さん!」 「! …沙耶ちゃん…」 あたしが入ろうとしたお茶屋から可愛らしい女の子が出てきて沖田に声をかけたのだ。 およよ? もしかしてもしかする? 「ようやく来てくれたんですね…!」 「あ、いや…そうじゃなくて…」 「すいませーん三色団子1つー!」 「おい里紅っ!」 あたしは2人が話しているすきにお団子を注文。 ゆっくりお話しなよ? 巡回なんてのんびりでいいんだから! まぁあたしが食べたいだけだけどね(笑) 「あの…総司さん。私、あなたに次会ったら…必ず伝えようと思っていたことがあって…」 沙耶ちゃんと呼ばれる女の子は頬をほんのり染めて、沖田を上目遣いで見つめていた。 おお!? これは告白だな! 沖田モテんなぁ! 他人事のあたしは団子を食べながらその2人の様子をうかがう。 「私…総司さんをずっと…想い慕っております。もしよかったら私と…!」 「ごめん」 「むぐっ!?」 あ…危ない…! 沖田があまりに素っ気なく即答したことに団子が喉につまりそうになった。 ちょっと…かわいそうにもほどがあるでしょ! 「…俺はまだまだ未熟なもので、とても色恋なんて…」 お前律儀か!? 謙虚か!? クソ真面目か!? なんでよ。可愛いじゃんあの子。 正直沖田にはもったいないわ。 「すいません、俺まだ仕事中なんで…。おい行くぞコラ」 それだけ言うと沖田はズカズカ店に入ってきて あたしの後ろ襟を掴んで引っ張った。 「ちょ、待って! まだお茶飲んでないっ…」 「ふざけんな!!」 結局沖田に店から引っ張り出されてしまった。 くそー…。
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