第6章 Preparedness to die

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―… 日が暮れて気温が下がり辺りは暗くなった。 いつもとは違って一際明るい屯所前。 局長に土方さん、斎藤さんなど、先ほど局長室に集められたら人たちが提灯を持って立っている。 「じゃあ気をつけて行ってらっしゃい」 近藤さんに見送られ 隊士たちはそれぞれ見回りに出発した。 ちなみに隊の振り分けは 沖田率いる一番隊+永倉さん率いる隊+土方さん+あたし と 原田さん率いる隊+斎藤さん率いる隊+山崎さん。 これで市中を見回るらしいです。 集団でぞろぞろと歩き始めた訳ですが あたしには気になることが…。 「ねぇ…あたしにはその水色のギザギザ模様の羽織りないの?」 「あるわけねぇだろ下っぱ」 下っぱ…下っぱ…下っぱ…下っ…。 沖田の声が頭の中でエコーのように繰り返す。 あたしまた木刀だし!! あたしもちゃんとした刀がいい…。 その誠の羽織り着たい!! 「こら総司! そんなこと言ったら里紅がかわいそうだろ!」 「なんで土方さんはいつもコイツをかばうんですか…」 沖田と土方さんがわぁわぁ言い合っている時 永倉さんがあたしに話しかけてきた。 「里紅は実際 誰が好きなの?」 「…はい!?」 何故いきなりそんな話!? 「あーやっぱり待った! 僕の予想だとぉ…」 「永倉さん、あたし好きな人が新撰組にいるなんて言ってませんけど…」 「実は局長でしょ!!」 楽しそうな顔でビシッと指を指した永倉さん。 あの、あたしの発言無視ですか??
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