第6章 Preparedness to die

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「違いますよ…。好きな人とかいませんから」 そりゃドキッとするときはあるけど…。 別に好きとかじゃないし…。 「えー。里紅が誰が好きなのかはっきりしてくれないと、土方さんが諦められないじゃん」 あーそーゆーことですか…。 はぁもう面倒だなぁ。 「好きならそうちゃんと伝えればいいじゃないですか」 「…里紅…これはそんな簡単なことじゃないんだよ。里紅が沖田組長に告白をするくらい難しいんだから」 っはぁあ!? 「なんであたしが沖田に…!?」 「だって2人仲いいじゃん!」 どこが!? まさに犬猿の仲だと思うんだけど!? 「全っ然よくない!! 毛ほどもよくない!!」 「そうー?」 そうに決まってるでしょ!! アイツあたしに向かって心から笑いかけたことないよ? 「でも少なくとも僕が知ってる限り 里紅と一緒にいるときの沖田組長は一番人間らしいよ」 「え…?」 人間らしい…? まるで沖田が人間じゃないみたいな言い方だけど…。 「永倉さん…それってどーゆー意味d…」 「人斬りだァ!! 人斬りが出たぞォ!!」 そう叫ぶ声があたしたちの耳を掠り 今まで団らんとしていた空気が一転した。 「路地に追い詰めろ!!」 土方さんの一声に隊士たちが一斉に動き出した。 な、なんか緊張してきた…。
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