第6章 Preparedness to die

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ザッと大勢で辻斬り集団を取り囲んだはずだった…。 でも…。 「…これは…」 「…まずいな」 明らかにあたしたちが優勢な立場のはずだった。 なのに今…あたしたちは敵に囲まれているのだ。 …つまり 罠にかかってしまった。 どうゆうことか詳しくは分からない。 でも確実に追いつめられてしまっている。 どうするの…!? 刀を手にした人斬りたちが徐々にあたしたちに迫ってくる。 「怯むことはねぇ! ただの人斬りだ! 一気にたたみかけるぞ!」 「「「おう!!!」」」 土方さんの言葉と共にみんなが一斉に人斬りに斬りかかった。 あたしはというと…。 「ひぇぇ!!」 必死に逃げ回っていた。 無理無理無理無理!!!! だってあっち真剣だよ!? なのにあたし木刀!! あっぶないでしょ!!! でもいつまでも逃げているわけにもいかず…。 「ごめんなさぁい!」 「ぐあ!!」 あたしは木刀で人斬りの頭を殴る。 あたしの周りでは真っ赤な血が飛び散っている。 …みんな…よく平気な顔で人を斬れるよね…。 あたしには出来ないよ…。 あたしは出来るだけ斬りかかり、斬られる光景を見ないようにした。 ―… 辻斬り集団の討伐を試みてから 一体どれだけ時間が経ったのだろう。 あたしたちの立場はまだ最初と何にも変わっていなかった。 斬っても斬っても人数が減っていない気がする。 あとはあたしたちの体力がどれだけもつのか…。 みんなだいぶ消耗してる。 あたしを含めて永倉さんも、土方さんも沖田も、肩で息をしていた。 明らかにおかしい…。 嫌な違和感を感じる。 …どうなってるの…?
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