第6章 Preparedness to die

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†沖田side† 俺の嫌な予感はどうやら的中してしまったらしい。 だとすれば…。 「土方さん!」 「ああ!?」 俺は敵を斬りながら土方さんに近寄る。 「こいつら、とても辻斬りだとは思えません」 「あぁ、総司もそう思う?」 土方さんは肩越しに俺を見た。 …辻斬りにしては強すぎる。剣の扱いにも手慣れてやがる。 「このままだと近藤さんが危険じゃないですか?」 「何っ!?」 そう…これはきっとただ事じゃねぇんだ。 「辻斬り討伐で俺たちを足止めして 本当の狙いは…」 「人手の少なくなった屯所…つまり局長ってわけかァ!?」 土方さんの表情に焦りがみえる。 …もちろんそれは俺も同じだ。 「しかしこれじゃ易々屯所に戻れねぇぞ!」 「俺に任せてください土方さん」 「総司…」 「俺がこいつら全員なんとかします。だからみんなと至急屯所に戻ってください」 「…分かった」 今ここにいるのは30どころじゃない。 それを1人で抑えるのは容易じゃねぇが、やるしかねぇんだ。 …絶対 死なせるわけにはいかねぇ。 俺の命を捧げてでも 俺はあの人を護らなきゃならねぇんだ。 あの人のためならば この命も惜しくない。 俺は強く刀を握った。
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