第6章 Preparedness to die

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†里紅side† それは突然だった。 「聞けェ!! 今すぐ戦いを中止し屯所へ戻れ!! 局長の命が危ない!!」 「!!」 そう力強く響いた土方さんの声に 隊士たちは動揺を隠せない。 「今すぐだ!! 行くぞ!!」 一瞬時が止まったように間をおき、みんなが一斉に目の前の敵を避けて屯所へ走り出した。 …やばい! 後にも前にもいるよ!! 隊士たちが再び刀を構えた瞬間、複数の前にいた辻斬りたちが勢いよく地面に倒れ伏した。 そこには返り血を浴びた沖田が立っていて… 「早く行け…!!」 いつもの何倍も怖い顔をしてそう叫んだ。 え…? みんなが走り去っていく中 あたしは動きを停止した。 …沖田は…どうすんの? 「里紅!! 早く行くよ!」 「あっ…」 立ち尽くしていたあたしに気づいた永倉さんは あたしの手を引っ張って走り出す。 あたしは沖田の横を通り過ぎた…。 永倉さんに手を引かれ、どんどん小さくなる沖田の姿を見つめるあたし。 「ねぇ沖田は!? なんで来ないの!?」 「沖田組長が足止めをするからだよ!」 足止め…!?
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