701人が本棚に入れています
本棚に追加
†沖田side†
俺一人でもなんとかなる。
…そう思っていたが、疲労はかなり溜まっているらしい。
それにこの人数だ…。
頬を伝っていく生暖かい血の感覚が気持ち悪い。
…あとはどれだけ時間を稼げるか。
局長は任せた…必ず護ってくれよ…。
俺はゆっくりと息を整え敵に向かって走り出した。
ただ前の敵を斬る。
全神経を刀に集中させ、全てをかける。
…全ては局長のために。
「…くっ…!?」
振り下ろされた刀を受け止め横に払った瞬間、自分の体重を足が支えきれず地面に跪いた。
足に視線を下ろすと袴に赤黒い血が滲んでいた。
くそ…。
視界もぼやけてきやがるし…。
俺は痛みを堪え無理矢理足を動かす。
―ズキッ💥!!
「あッ…!!」
その瞬間足に激痛が走った。
そして辻斬りが複数で俺を囲んだ。
頭上に殺気を感じる…。
これまでかよ…?
…頼むから……
動けッ!!!!!!!!
足の悲鳴を無視して立ち上がった瞬間だった。
「!」
目の前の辻斬りが地面に倒れたのだ。
見上げればそこには…。
「里紅…」
おぼつかない手つきながら、真剣な顔で木刀を扱う里紅。
なんで…。
お前がここにいるんだよ…!!
最初のコメントを投稿しよう!