第6章 Preparedness to die

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†里紅side† 沖田はただ…驚いてあたしを見つめていた。 「な…なにしてんだよ…」 今にも倒れてしまいそうな沖田は声を搾り出してそう言った。 「助けにきたの!!悪い!?」 「すぐ屯所に戻れ…!! お前じゃ無理だ…!」 「無理じゃない!!!」 あたしはむきになって叫ぶ。 どいつもこいつも…!! 「やってみなきゃ分かんないじゃん!!」 「ざけんな!!」 沖田はあたしの腕を掴んで後ろに引っ張った。 あたしは沖田の背の後ろへ移動する。 「…今すぐ屯所に戻れ。邪魔だ」 「こんなところで本気で死ぬ気なの!?」 「…局長護れんなら それが本望だ」 妙に落ち着いた声でそう言った沖田。 あぁ…やっぱり分からない。 どうして自分の命を 他人に賭けることができるの? 確かに大切な人を命張って護るのはすごいことだよ。 でも死ぬことが侍の美学って言うんなら…。 「!? おい…!?」 あたしは沖田の前に出た。 「…あたしが侍に殴り込みしてやる」 「…は? 何言って…」
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