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夜があけ、朝日が街を包み込んでいく。
目を覚ました鶏が高々と叫び、街の一日は始まる。
街の人々は朝市を行き交い、時には世間話に立ち止まる。
そんななか俺もゆっくりと目を……
「早く起きなさい!早く起きないと…」
「お、起きてるからっ!頼むからその銃をおろしてくれ!」
覚ますことができるわけがなかった。
俺の目の前には、馬乗りになって俺の顔に銃口を押し付ける幼馴染の姿があった
「あら、おはよう。すんなり起きたわね」
そういって銃を放り投げ、俺の上から降りる。
「そりゃ、朝っぱらから銃で脅されたら誰だって起きるよ…この鬼畜女…」
「なにかいった?」
そういって、俺の幼馴染は満面の笑みで銃をもう一丁とりだす
「な、なにもいってないからっ!」
「そう、ならいいけど」
な、なぜこいつはこんなに銃を携帯してるんだ…まったく…
あぁ、あのころは可愛かったのになぁ。なんで、こんな風に育ってしまったんだろう
「はぁ……」
短いためいきをつき、体を起こす。
そのとき、街中に爆音が響き渡る。
そして、それと同時に家の扉を乱暴に叩く音が聞こえる
「やれやれ……起きたばっかりなのに……」
扉を開けると槍を持った青年が立っていた
「ライクさん!海賊です!討伐お願いします!」
「わかった、すぐに向かう。どこの港だ?」
「北の港です!では、よろしくお願いします!」
ぴっと敬礼し、走り去って行く。
やれやれ……海賊か。
「どうしたの?また、海賊?」
そういって、幼馴染、アンナがひょこりと顔をだす
「あぁ、ちょっと行ってくる。」
そういって、俺は自分の部屋に戻り、身支度をすませた
「私も行った方がいい?」
「いや、大丈夫だと思うよ」
そして、愛刀「秋水」を持って家をでた。
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