黒猫物語

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こんばんは。 僕は黒猫のナミ。 ご主人様は強いのです。 この家にはご主人様のオカアサンとオニイチャンが二人います。 ご主人様は辛くったって人前では泣きません。ナミダをポロポロしません。一人、お部屋でポロポロします。 そんなとき、僕はこっそりお部屋に来ます。 ご主人様はナミダポロポロしながら僕を撫でて、フトンに潜ります。こういうときは、一緒にフトンに入るのです。 そうすれば、「しつこいね。……ありがと」て言って眠ります。 誰にも言わない愚痴も僕になら全部言います。 でも、僕にはよくわからないです。 きっと、ご主人様は僕が猫だから話すし、ナミダをポロポロするんです。
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