狼獣人と少年物語

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僕らはターゲットを始末した数日後、TVで横領の件が流れた。 どうやらターゲットはバラすのではなくバラさないようにしていたらしい。横領をバラしたのは全く違う人だった。 お偉いさんはターゲットが行方不明なのを 「惜しい人材を無くした」 と言っていた。惜しいのかねぇ?殺すまでしたい相手が。 バンッ! 「静歌!?いるか!?」 あ、お偉いさんじゃん。 「どうされましたか?」 「どうしたもこうしたもない!!私は横領をバラされないようにしろと言っただろ!?おかげで私は!」 「知りませんよ。僕が頼まれたのはターゲットの始末。横領なんて端から眼中に無いです」 「なんだと!?貴様ぁああ!!」 殴りかかってくる。あぁ、たまに居るんだよね。けういう逆ギレしてくるお客様。 「ぐぁあ!!」 お偉いさんはウルフに押さえつけられた。ドンマイ(笑) 「さて、貴方が降格されようがリストラされようが関係無いですけど、逆ギレしないでくださいます?僕らは貴方に言われた仕事をやっただけです。金は払ってください」 「な!あんな大金払えるか!!」 「グルル…」 「ひっ」 ウルフがあからさまに涎をたらして脅す。牙をみせつけ、低く唸る。 お偉いさんをソファに座らせ、ウルフを僕の後ろに座らせる。 「ちゃんと金くらい払えよ。人間として最悪だぞ。さっさと払え」 「くっ…貴様ぁぁああ!!人間を何人手に掛けたか知らんが貴様の方が人間として最悪だろ!!」 ピクッと眉が動く。 「う「うるせぇよ」え?」 振り向くとウルフがすごく怖い顔をしていた。
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