22人が本棚に入れています
本棚に追加
ぱか、と箱を開いてみると、そこにはクレヨンのように鮮やかな青をした石があった。
「ヾ々〆$℃¥∞*§%!!!」
「あっはっはっは!おま、慌てすぎ!」
混乱して言葉にならない音を発す私の前で、彼は笑い転げている。
「大事なお前のおみやげなのに、安いもので済ますかよ。そっちが本命。理解した?」
「うん理解。でもそのさりげなくデレを混ぜてくるの反則」
―――大事なお前
顔がかーっと熱くなる。私はすぐ顔が赤くなるので、俯いてバレないようにする。
もしバレたらお酒のせいにしよう。
「これ、ネックレス?」
「うん。お前、石が好きだろ。ちゃんと証明書付きだぜー」
得意げに小さな封筒を滑らせてくる彼。
私はトルコ語など分からないが、このネックレスの写真と一緒にお店、鑑定者の名前、日付が書かれているのは見て取れた。
「お前、言ってただろ。『パワーストーンの店で安く売ってるトルコ石は染色されたもので、中は真っ白なんだよ』って。それをガイドさんに話したら、『ただの【トルコの石】ですね』って笑ってた」
そのガイドさんに言ったんだろうか。
このネックレスは、そう教えてくれた恋人へのプレゼントだと。
最初のコメントを投稿しよう!