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静まった空気の中、老けたじじいの声が透き通る。
いい声帯持ってんなぁと内心褒めてみる。
「お主は死んだ。死因は…わしにある。」
そう言ってから、具体的に話始めたじじいは、同情やら、謝罪やら、まぁ色々と反省しながら語っていた。
体感1時間くらいを費やして。
「っと言うことでの、転生、いや生き返ると言った方が正しいかの。
まぁなんじゃ。その剣と魔法の世界での第二の人生に興味はないか。
勿論なこと、お主の考えているような力も付けてやろう。」
思考を読まれたことは、あえて無視をした。二つ返事の後にその"力"に関して、沢山、これでもかと言うほど要求してやった。
体感1時間話したかった分の気力を使った気分だ。
「むぅ…そうじゃな、一気に言われたもので把握しきれんかったので、わしの考えた力を幾つかくれてやろう。
なに勿論、応用性は抜群じゃ。文句はないじゃろ?」
話を聴いていなかったのも含め、その曖昧な言葉に不快感が残るが了承した。
「ちょいと、ちっくとするが堪忍せい。」
後ろから俺の頭にその手が触れたのと同時にぐいっと重たい衝撃と目眩が来た。
チクりではなかったな。断じて、チクリではなかったな。
無表情でいた気だが、それほど不機嫌、不満そうな顔をしていたのか、
「まぁ大きな力の代償じゃ」
とニヤリと茶化して振り返り、何処かへ行こうとするカミサマ。
「大丈夫じゃよ、ほれ…」
振り返ったところで、気の抜けるような優しい声が聞こえた。
後、俺の意識はゆっくりと途切れた。
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