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「お、俺とロッティの日常だと?」
そこでようやくロッティの有様に合点が行き始めた。
つまり、コイツ等のガールズトークってのは…
「いやぁ、蓮君も男の子なんだねぇ。まさかあんな甘々な生活をロッティと過ごしてるなんて。ちょっと嫉妬しちゃったよぉ」
「お兄ちゃんって、意外と甘えるんだねぇ。…身内としてはちょっと複雑だけど。……まぁ、淡白じゃないなら許せるっ」
「別にお前の許しなんて乞うて無いんだが…」
グッと親指を立てる瑞希。
二人とも二へラァっと笑ってるのが、これまた怒りを誘うが…。
いや、もうこの場合、怒りすら通り越して呆れの境地に至っている蓮。
「つまり、ロッティのこれは…」
「いやぁ可愛かったよぉ。私たちのガールズトークの前に、慌てて話題をそらそうとしたり、もうやめてぇえって恥ずかしがってる様子はもう…!筆舌に尽くしがたい可愛さだった!!」
グッと拳を握り満足そうな笑みを浮かべる瑞希。
「瑞希、ちょっとこっち来い」
蓮は怒っているような笑っているような、なんとも器用な表情を浮かべ瑞希を手招きする。
だが瑞希は苦笑いを浮かべ、後ずさる。
「や、やだよぉ。行ったら何されるか分からないし…」
「心配するな。久しぶりに兄妹らしいスキンシップでも取ろうかと思っただけだ」
「絶対嘘だ!?どうせ小さい頃やったように、頭グリグリする気でしょ!?お兄ちゃんあの痛さ分かる!?やられてる方は抵抗できない上に、主導権を握られてるからいつ終わるかもわからない地獄に耐えなきゃいけないんだよ!?」
「上下関係を忘れた馬鹿な妹にお灸をすえるだけだ」
「ふぁ、ファサリナさん助けて!!お兄ちゃん、目がちょっと本気っぽいんですけど!?」
「い、いやぁ~…。僕も、ちょっと今の蓮君の前に立つのはねぇ~~…」
こっそり後ずさって既に距離を取っているファサリナに、瑞希が手を伸ばすが届くはずもない。
「ロッティ、ちょっとだけ待ってろ」
「れ、蓮?い、一応手加減は…」
「心配するな」
心配そうに見上げるロッティは、蓮は微笑みを向けるが――
「いい加減騒ぎ過ぎだからな…。見せしめに瑞希を説教すれば、アイツらも少しは大人しくなるだろ」
「め、目が笑ってないよ?お、お兄ちゃん」
結局、その後起きてきた全員の前で正座をさせられ説教された瑞希。
両親も何事かと心配そうだったが、久しぶりの兄妹の姿に、二人とも頬を緩めていた。
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