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「おぉ~おぉ~。朝から見せ付けてくれるねぇ、お兄ちゃん。死ねばいいのに」
「瑞希?…おいまさか、ロッティのこれはお前の仕業か?」
「えぇ~?別に私じゃないと思うけどなぁ」
冷たい笑みを浮かべながら起きてきた瑞希の言葉に、眉を寄せる蓮。
と、そこに欠伸を零しながらファサリナも起きてきて、蓮に抱きついてるロッティを見るとあからさまにニヤニヤとし始めた。
「やっぱり落ち着くのは彼氏の腕の中っぽいねぇ。いやぁ、蓮君も見かけによらずやる事やってるんだねぇ。関心関心っ」
「……成程、お前"たち"ってわけか」
人の家まで来て、一体何をやってるんだコイツら
溜息をつきたい気を必至に抑え、ロッティの背中を優しく擦る。
「後ろめたい事をしてるわけじゃないんだ。恥ずかしがる事でもないだろ?」
「うわっ。リア充特有の余裕発言…。まさかお兄ちゃんの口からそんな言葉を聞く日が来るとは思わなかったよ」
「お前だって彼氏を作れば分かる様になる」
「私に彼氏が居ない前提で話しないで欲しいんだけど…」
「まさか、居るのか?」
まぁ、不思議なことではない。
瑞希だってもう子供じゃないんだし、彼氏ぐらい…
「ま、居ないんだけどさっ」
「俺が言うのもなんだが、早く作った方がいいぞ」
「その上から目線、むかつく」
「むかつくむかつくぅ」
「瑞希、ファサリナに変な言葉を憶えさせるな」
朝から頭が痛い。
にしても、メルトとミズキ、ノルが寝坊とは珍しい事も―――あぁ、そういうことか。
「一体何時までガールズトークをしてたんだ?」
「ガールズトークに時間は関係ないのだよ、お兄ちゃん。全員が満足いくまで話し続けるのが、ガールズトークの恐ろしい魅力だよ」
「本当の所はどうなんだ?ファサリナ」
はぐらかそうとする瑞希に肩を落としながらファサリナを見ると、眠そうに目元を擦りながら首をかしげる。
「んぇ~っと…。3時ぐらい?」
「どうすれば、話をするだけでそんな時間まで粘れるんだよ」
「そりゃあ、普段聞けない蓮君とロッティの日常を聞かされたら、ねぇ?」
「ねぇ?」
顔を見合わせて頷きあうファサリナと瑞希。
そして、ファサリナの放った言葉に頬が痙攣した蓮。
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