佐伯理子、36歳。

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『理子!おはよう!』 未だ頭の重い私はゆっくりと振り返った。 同じ部署の早川夏実と最近人事課長に昇進した安田誠だった。 二人は同期だ。 転職せずに、ずっと一緒に頑張ってきた数少ない同期だ。 この二人がいたから、仕事が続けてこれたと感謝している。 『安田課長、おはようございます。夏実、おはよう。』 『課長って、なんか照れる…(笑)』 『安田課長、昇進祝いに美味しいものご馳走してください。ってね、理子。』 『うん、そうだね!』 『昇進祝いなら、普通お前らがご馳走するだろ?』 『いやいや、私たちはまだまだ薄給ですから、ぜひ課長に!!』 私たちの会話はいつもこんな感じだ。
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